第278章

時間が過ぎていく。廊下は静まり返り、数人の呼吸音だけが聞こえてくる。

やがて、救急処置室の扉が開かれ、一人の医師が姿を現した。

「患者のご家族は?」と医師が尋ねる。

池田年と青木青が同時に一歩前に出て、声を揃えて答えた。「私です!」

医師は二人を一瞥して眉をひそめ、言葉を続けた。「患者は急性虫垂炎です。すぐに手術が必要です。どなたがサインされますか?」

池田年はためらうことなく言った。「俺がします」

青木青は口を開きかけたが、何か言いたげな様子を見せつつも、結局は黙り込んだ。

さらに数時間待った後、村上美咲が病室に運ばれてきた。

医師はマスクを外し、彼らに状況を説明する。

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